1000人超の大随行団を引き連れたサウジアラビア国王の訪日と石油超大国の憂愁

 12日に来日したサウジアラビアのサルマン国王の大デレゲーションは、瞠目だった。1000人以上の閣僚と随員を引き連れ、しかも羽田空港では特注のエスカレーター式タラップ(写真)を持ち込み、それで降機した。

◎サウジ航空機がずらり、都心の超高級ホテルは貸し切り状態

 羽田空港には、随員たちを乗せたサウジ航空機がずらりと駐機されていた(写真)。都心の超豪華ホテルは、ほとんどサウジの貸し切り状態だったそうだ。

 サウジ国王の来日は、原油一辺倒の経済に、日本の技術を導入し、工業化を果たしたいからだ。

 日本は輸入する原油の3割をサウジから買っている。これまでは黙っていても、日本はサウジ産原油を買ってくれていたが、最近のエネルギー需給動向は、そんなサウジの殿様商売を危うくしている。

◎生産削減で値上がりの原油高も、早くも反落へ

 原油は、今や投機商品になり、価格は投機筋の思惑に乱高下する。このところニューヨーク原油先物軟調に推移し、14日は1バレル=47ドルそこそこまで下落した。昨年末のOPEC総会で生産調整を決めてから55ドルに突っかける寸前まで行きながら失速している。

 理由の1つは、アメリカのシェールオイルの生産増である。これがOPECの減産を相殺している。

 そしてシェールオイルと並ぶシェールガスの生産増がある。これを冷却して液化したLNGは、今やアメリカの輸出商品になっている。これが、化成品原料や燃料としての原油と競合している。

◎すでに原油需要はピークアウト

 さらに僕がかねてから主張しているように、原油消費そのものに先細り懸念が表れていることもある。

 世界の原油需要の半数は輸送用だが、特に乗用車ではガソリンカーの燃費低減とEV化・PHV化が目覚ましい。こちらの需要が将来は大きく落ち込む可能性が高い。

 いくら反環境のトランプ政権となったとはいえ、アメリカでも州レベルでの排ガス規制は厳しくなる。

 すでに原油需要は、世界的にピークアウトをしたと言える。

サウジアラムコ株なんて誰が買うのか?

 サウジアラビア政府は、財政赤字を挽回するために国営石油会社サウジアラムコ(写真=ダーランの本社)の株のIPO(新規公開)を計画しているが、今さら先の見通しの暗いアラムコ株など買ってもどうしようもないと思われる。

 46年ぶりの国王訪日も、遅すぎたのではなかろうか。

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