book『帰空からきた魚』(アーサー・ビナード)

アーサー・ビナード著『空からきた魚』(集英社文庫)を読んだ。アーサー・ビナードの本に関心が向き、図書館で借りてきた本で、著者が来日して比較的早い時期に書かれた第一エッセイ集だ。英語、イタリア語、日本語、タミール語・・等(まだありそうだ)に堪能で、ことばの感受性が抜群なのが魅力だ。またデトロイト郊外(ミシガン州)での自然と触れあった少年時代の話には、「トムソーヤーの冒険」の現代版を思わせる。来日した日本でも3台の自転車を使い分けて、都内を散策するとのこと。そしてその文章の社会批評性も鋭い。どの文章もきらりと光ってすばらしい。ひとつ気に入った文章を上げてみる。著者が22歳になって、インドのマドラスタミール語を先生に習う。先生は<忘れ済み>という話をされる。「忘れるということは、覚えることと同じように大切だ。同じぐらいの集中力がいる。思うに、きちんと忘れるため、きちん覚える。」(「忘れる先生」)アーサー・ビナードの本は図書館にたくさん入っているので、おいおい読んでいこと思っている。