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事故の元凶と、利益化邁進で損なわれるもの。

ちょいと某現場の仕込みをウォッチして帰って来たら・・何だこれ・・。

このタレントについてチラッとは伺ってたけど・・率直に言って、

起こるべくして起きたなという感想。

現場や仕切りの詳しい状況は不明なれど、言えることは、この手のロックもので

『アリーナ部のスタンディング設定』なんぞすること自体、本来的には“正気の沙汰じゃない”。

無論、それ相応のセキュリティ対策を講じているはずではあろうものの、

このタレントカラーで、尚且つ今ほどのセールス規模に至っている状況で、

消防と警察への催事計画書を事前に提出し、監査を受けねばならない

多目的催事場にて行うに適当なチケット販売、観客収容の有り様とは決して言えませんな。

どんな計画書を行政に提出していたか、また何がしかの指導を受けていたかはわからないが、

このタレント自身やライヴの中身は、観客の有り様含めて「危険要素」に満ちているわけで、

おそらくプロモーターによる行政申請にあたっては、その辺りの詳細までは

いちいちご丁寧に説明するはずはないであろうと思われ・・。

とすれば、場合によってこのプロモーターは、今後このタレントは勿論、

別なタレントに拠る催事まで、取り扱う業務上のハードルが高くならざるを得なくなってくる。

要は、イベンターとしての資質の欠如・・即ち「仕切りに難がある」という評価に繋がると。

ひいては、当会場である幕張メッセにおける会場貸し基準にも、今後何らかの影響を及ぼし、

別な催事や別なプロモーターへの影響にも繋がる恐れがある。

つまり、この一タレントだけの問題だけじゃなくなることを意味するわけで、

それは即ちコンサート事業全般にまで波及し、あらゆるライヴでの実施要項全体に対して

何らかの見直しや手入れが入ることすらも考えられるという・・

このことから何が言えるかとすれば・・。

このタレントに拠る独特のライヴスタイルは、タレントプロダクション(アミューズ)が

講じたものであって、各プロモーターは示されたそのプランに従ってチケットセールスや、

実施運営の準備と仕切りを行うのであるからして、元凶はプロダクション側にある。

とすると、プロモーター側における運営実態の如何もあるものの、そもそもの問題は、

ある意味こんな“無謀な”スタイルをプランニングしたことにある。

はっきり言えば、こんな過激な実態にあるタレント色にあって、

スタンディング仕様のライヴなんぞ、多目的アリーナで行おうとすること自体問題なんであって、

彼らの内容からして、この仕様ではせいぜい「ライヴハウス」規模程度でしか無理と思うわけで。

ライヴハウスは収容人員やスペース等の環境面を鑑みても、

こうしたトラブルが起きたとしても最小限で抑えられることが一応可能だが、

一気にスケールが跳ね上がる多目的アリーナともなると、

幾らブロック毎の収容制限をかけてゆとりを取ろうとしても、

座席に拠る区切りが事実上なく分割が出来ないために、

どうしたって前詰めによる“将棋倒し”の危険性等は除去仕切れない。

しかも、ブロックが複数に及ぶために、幾ら人員態勢を増やしたとしても、

警備上の監視チェックや危険時の対応、それに対する指示系統は一括にし難い関係上、

各々で微妙な誤差や瑕疵が生まれてしまう大きなデメリットが潜在的にある。

よって、これは何も観客のマナー云々ではなく、それ以前の問題であって、

ある面でそもそもがこのような観客の有り様を生み、そしてそれを「売り材料」にして興行を打ち、

利益化を図ろうとし、利益を得て来たのであるからして、根源はタレント側に拠る所なんである。

このカラーを売りにし、そして人気を博しセールスを更に上げるべく

ハコをスケールアップさせたのであれば、そのハコの基準に沿ったステージプラン、

演出〜実施プランを組まねばならないのが当然なんであって、

ライヴハウス基準をそのままスライドしたことが大問題だろうと。

どうしてもこのスタイルを貫きたい、優先したいのであれば、やはりハコは大きくすべきじゃない。

こんなの、ほんの少しズレてれば最悪の死亡事故に至っても全然不思議じゃなく、

その影響の大きさを考えれば考えるほどそら恐ろしくなる。

そうなると巻き込まれた観客は勿論のこと、多くのタレントファン、タレント本人、事務所、

プロモーター、制作業各種、全国各賃貸会場・・ありとあらゆる業種が

大きく影響を受けることになるのは間違いなく。

昨今はライヴ事業全般が活況と言われ、本数そのものが増大化し、

尚且つ大型会場でのライヴも一頃より格段に増えているけども・・。

過去にあった大小の事故の教訓を身をもって体験し、経験値として蓄積されたプロモーターや、

危険要素の本質を充分理解していないプロダクションが再び増えて来ている印象が

どうにも拭えないわけで。

それはひとえに、いわゆる業界人の「世代交代」が起きている中で、

継承が充分に成されておらず、一方では利益増大を図ろうと邁進する中で、

ライヴという「一発勝負」の特性に潜む本当の危険や意識というものが、

どうにも彼らの中には不足しているように思えてならないのであり。

事実として、本数の増加と大型ライヴの増加により、スタッフの人員不足や手配の困難さ、

また現地指導までも充分な域に到達していないと思われる状況さえ散見されるわけで。

その点で思うのは、ライヴ事業活性化と伴う本数の増加傾向を前にした時、

人気ライヴでのチケット高額問題が浮上し、供給の増大が求められるかのような

空気が一方で強まっている傾向はあるものの、利益面と共に不可欠である

「ライヴの安全性」を早急に再検証と再考をしなければ、必ずやこうした事故の問題性に

ぶち当たるのは避けられないはずだろう・・と観ている。

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(時事通信社 - 04月08日 22:01)