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フランス大統領選 緊縮なら保護主義は当然

フランス大統領選挙が始まり、新聞マスコミは相変わらず「反EU、保護主義の動きに警戒が広がっている」と報道している。しかし緊縮財政のEUにおいては、むしろ保護主義を推進するのが正しい選択だと思います。

自由貿易は必ずしも各国民の利益になるとは限りません。経済状況によって大きな違いが生じるからです。資産家、富裕層にとって自由貿易は必ず利益になります。なぜなら、資本が所得を生むからです。しかし、労働者にとっては労働しか所得を得る手段がないため、雇用が労働者の利益の絶対条件となります。この雇用は自由貿易によって必ずしも増えるとはいえません。

現代の経済状況において自由貿易・移民政策は雇用を奪う結果となります。だからこそ、労働者にとって、保護主義が正しい選択なのです。現在の状況では自由貿易は必ず雇用を奪う、なぜでしょうか?

?緊縮政策によって総需要が不足=労働力が余剰になる

=失業の増大・賃金の低下

EU、ユーロ圏では緊縮財政・財政再建が推進されてます。このため、労働力の供給に比べて総需要が低いまま据え置かれています。これが失業率の改善を阻み、賃金水準の低下を引き起こす原因です。にもかかわらず、EUは緊縮財政を大きく変更しようとしません。その状況において、さらに自由貿易や移民政策を推進すると、生産性の向上によってますます労働力が余剰となります。その結果、さらなる失業の増加と賃金の低下が避けられません。

ここでベターな方法は緊縮財政を捨て、総需要を増大させる方法です。それなら自由貿易は雇用を生む。しかしEUはそれをしません。ゆえに、保護主義が正しい選択なのです。

しかも、さらに新たな失業・賃金低下の要因が加わりつつあります。

?テクノロジー(自動生産)の発達=労働力が余剰になる

=失業の増大・賃金の低下

自由貿易・移民政策に加えて技術的失業の影響が本格化すれば、ますます労働力過剰となり、失業と賃金低下はさらに深刻化するはずです。ゆえに、ますます保護主義が正しい選択です。

従って、フランス大統領選挙では保護主義を主張するルペン氏が、労働者にとって正しいと考えられます。しかし、保護主義によって総需要を増やすことはできませんから、それだけで国民の雇用が増えたり、労働者の賃金が上昇することはありません。最も重要な点は、総需要を増やすことです。

そのためには、大規模なヘリコプターマネーの実施により国民の購買力を向上させることが最も効果的です。ヘリマネの実施にはユーロ圏からの離脱が欠かせません。なぜなら、いくらヘリマネを実施したくとも通貨発行権欧州中央銀行(ECB)に奪われている現状では不可能だからです。そしてルペン氏はユーロ圏からの離脱と、フランの復活を主張しています。ただし、ルペン氏がそれを理解しているかどうか。

フランスが不況と賃金低下、格差拡大を解消するには、緊縮財政から脱するしかありません。ヘリマネを実施するのです。そのためにはフランス国民に通貨発行権を取り戻さねばならない。

もし自由貿易推進論者がそれを回避したいのなら、その唯一の方法は、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏に向けて、大胆なヘリマネ政策に打って出るしかないでしょう。カネも刷らずに自由貿易、自由競争、市場淘汰を推し進めるとは、まさにヨーロッパ全体を緊縮でしばきあげることになる。

マクロン氏が勝てば、フランスの労働者は

自由貿易という欺瞞で苦しみ続けるでしょう。